メンテナンス

農機具のキャブレターの掃除の仕方とキャブレタークリーナーの使い方

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農機具のキャブレターの掃除の仕方とキャブレタークリーナーの使い方

「あら?・・・・・」

「エンジンが掛からないじゃん!」

「まいったなぁ・・・」

なんて事になっていませんか?

田植え機は、

シーズンが終わると、

速攻で倉庫に直行してしまい、

1年のうち、ほとんど倉庫で眠っていると思います。

そんな状態の農機具(田植え機)ですから、

再始動しようと思ったら、

エンジンがかからない事なんて普通にあります。

今回、いただいたケースはエンジンが全く掛からないと言う状態なので、

そんな状態ですと、

キャブクリーナーだけではエンジンはかかりません。

何故かと言うと、

「キャブクリーナーはエンジンは掛かるけど、調子が悪い」こんな時に、

非常に便利なケミカル商品なので、

掛からないエンジンには使ってもあまり有効ではありません。

使うのであれば、

キャブレターを分解して、

掃除する時に、

漬け置き洗いする位です。

それでは今回のQuestionを見ていきましょう。

Question

我が家の農機具(田植え機)がエンジンが掛からなくなりました。

一年間の放置の末、

ガソリンタンク内のガソリンと、

キャブレター内のガソリンが変質してしまっていました。

ガソリンタンクからキャブレターに繋がるホースまではガソリンで清掃しました。

点火プラグは火花を出します。

しかし、

キャブレターが燃料を吸っていきません。

もちろん、ストレーナーも掃除したんですが、

キャブレターが燃料を吸わないのは変わりませんでした。

完全にキャブレターが詰まっている感じです。

どうしたら良いでしょうか?

Answer

残念ですが、

今回の田植え機のエンジンは、

キャブクリーナーを吹きかけるだけでは治りません。

キャブクリーナーの使い方は、

エンジンが動いているのに調子が悪い時に使用するのが一般的で、

エンジンが動かないのであれば、

キャブレターを分解清掃する必要があり、

キャブレターの部品の漬け置き洗いが一般的です。

そして、

農機具のガソリンエンジンの不調の場合、

90%がキャブレターほ詰まりによる物です。

田植え機の様な農機具は、

乗用車の様に、

普段から常に乗っているワケではないので、

季節によって使ったり使わなかったりします。

したがって、

シーズン以外は放置されてしまいます。

この放置されている間に、

ガソリンが劣化して、キャブレター内の小さな穴をふさいでしまいます。

また、

田植え機の場合、

燃料をガソリンスタンドで、

ガンで直接入れるわけでもありませんので、

注ぎ口の汚れたポリタンクや、

中にホコリの残るジョッキなどで給油するので、

どうしてもゴミが入ってきてしまいます。

そして、

農機具については、

空気の条件が良いところでの作業が多いですよね。

つまり、

細かいゴミや、巻き上げた土埃などがある中での作業ですので、

いくらエアクリーナーが付いていても、

ゴミや土埃を吸い込んでしまう事は多いです。

そんな理由から、

田植え機の様な農機具のエンジンが不調になるのは、

キャブレターの不具合が原因となります。

農機具のエンジンの不調は、

99%はキャブレターの不調と言って良いと思います。

しかも、

今回の件は、

エンジンが動いていませんので、

エアクリーナーの取り付け口から、

直接キャブレタークリーナーを吹きかけても、

エンジンに好条件を与えるどころか、

エンジンが動く様になる事は間違いなくありません。

つまり、

キャブレターが空気を吸わないのに、

キャブレタークリーナーを吹きかけても、

キャブレタークリーナーをキャブレターが吸っていかないので、

キャブレターがキレイになる事はありませんし、

エンジンが動く様になる事はありません。

そんなワケで、

キャブレターの分解方法を解説していきます。

1.まずはキャブレターを本体から外します。
エアクリーナをはずしてからキャブをはずしますが
これは通常ナット2本で取り付けられています。
2本のナットを取ったらアクセルとつながっているロッドがありますからこれをはずします。
すると完全にフリーになりますのでキャブが本体からはずれます。

2.さて外したら、
一番下のねじ(カップみたいなものがついていると思いますがこれを止めているねじです)をはずします。
すると中に「浮き」のようなものが入っています。
これはフリーですからはずして近くに置いておきます。

3.真下から見ると真ん中に小さい穴が開いているものが中に入っています。
これにはドライバーが入るような横溝が切ってあるはずです。
これをドライバーを突っ込んでねじをはずす要領で
引き抜きます。

4.真鍮でできたパイプが出てくるはずです。
これをメインジェットといいます。
このパイプの底にも穴が開いているし、
また横穴(直径、0.3mmくらいの)が4つ~6つ
空いています。
これらが詰まることが多いです。
特に多いのは底に空いている孔です。
これを荷札の針金で掃除するわけです。
(もっといいのはアクセルワイヤーです。アクセルワイヤーは
細い針金をよってありますのでこれをほぐして一本にするとできます)

5.横穴まできれいに掃除します。
この掃除にキャブレタークリーナを使い、
汚れを溶かしておいて針金で孔を通します。

6.さらに、気化濃度を調整する孔を掃除します。
外からばねのついた斜めに入っているねじが見えると思いますが
これをはずします。
このねじは先がとがったようにできています。
はずすと中にやはり同じくらいの穴が開いてますからこれも針金とクリーナーで掃除します。
これを元に取り付けるときには
ずーっと締めこんでいって「クッ」と止まったところから1回点半戻して下さい。
「ぎゅーっ」ではありません。軽く「クッ」と止まったところからです。

7.もうひとつ、上側に外から見えるねじがあります。
普段見慣れたねじのような形をしておらず、頭に横溝が切ってあります。
これもマイナスドライバーではずします。
これにも先ほどはずしたメインジェットと同じように底と横穴がついています。
これも針金とキャブクリーナで掃除します。

8.今、全部穴の開いているねじ類ははずしましたので
そのねじが入っていた部分もキャブクリーナーを吹き込み
それぞれの孔を通します。
そして、コンプレッサーがあったら全部吹いておきます。
(もちろんジェット類も吹いておきます)

9.それから、全てを元に戻していきます。
このうち一個でも穴が詰まっているとエンジンは不調となります。

注)田植え機の中にはメインジェットが取れないものもあります。
キャブのカップをはずして下からのぞいてもメインジェットに
横溝がなく打ち込み式になっていてはずせない場合があります。
これの場合は
はずせるねじをはずしておいて、一晩キャブレタークリーナーの液に
浸けておいてください。

※キャブレタークリーナ一本体丸ごと使っちゃいますが
なにかの容器にキャブレターがつかるくらいになるまで
しゅーーーーーーーーーーーーーーーーっと
出しちゃってそれに浸けておきます。
そして、
翌日、コンプレッサーで吹きとばします。
すると大体、横穴までキレイになりますよ。

いかがだったでしょう?

この説明でキャブレターの分解清掃はできそうですか?

この説明でキャブレターの分解清掃ができないのでしたら、

農機具屋さんに農機具を持ち込んで修理を頼んでください。

もし、

キャブレターのみを外して持って行ったりすると、

農機具屋さんは嫌がります。

間違いなく農機具屋さんに持ち込む時は、

農機具をそのままお持ちになってください。

キャブレターのみを持っていったら、

「余計なことしやがって・・・」っと言われなくても思われます。

キャブレターは、

単体で持ち込んでも試運転ができません。

スロー調整とかもできないのも理由としてはありますが、

もしかしたら、

エンジンが動かないのは、

キャブレターが原因ではない可能性もあるんですね。

そんな時、

キャブレターだけオーバーホールしてユーザーに渡しても、

取り付けた時にエンジンが掛からなかったり、

調子が悪かったりしたら、

ユーザーはクレームをつけたがります。

つまり、

キャブは完璧に掃除してあっても、

試運転できないということは空気量の調整などができません。

キャブだけ持ち込んでくれば修理屋サンは当然ユーザーが調整できるんだ・・と思いますから、

それが素人だったりすると

必ずトラブルになります。

素人は掃除さえすれば自分が取り付けてもエンジンは調子よくなると思ってます。

ですので、自信がなかったらそのままの状態で農機具屋さんに持ち込んでください。

追伸

いかがだったでしょう?

キャブレターは分解できそうですか?

できない場合は必ず農機具屋さんに持って行ってくださいね。



トラクターなどの大型な農機具の場合、

キャブレターが4つ付いていたりします。

この場合、

4つのキャブレターの掃除はもちろん必要ですが、

全てのキャブレターの同期を取らないといけません。

そうなると個人で治すのが大変になります。

道具を持っていれば簡単な作業なんですが、

やはり安い道具ではありません。

農機具を修理に出す手間と修理代を考えて、

農機具を買換える事を検討した方がもしかしたら良いかもしれません。

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