メンテナンス

農機具の2stのキャブレターで出力が上がらないワケは?

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農機具の2stのキャブレターで出力が上がらないワケは?

放置してあった農機具を引っ張り出して、

さて、エンジンを掛けて使ってみようと思っても、

「えっ!エンジンかからないじゃん!」なんてことは往々にしてあります。

そして、

農機具屋さんで修理しても直りきらない時もあります。

今回は、

その一例を紹介していきます。

「農機具の2st(サイクル)のキャブレターで出力が上がらないワケは?」

農機具屋さんで直してもらった農機具(溝切機)ですが、

直してもらった時に、

チョークを引いてエンジン回転を上げていくと、

すぐに止まっていました。

農機具屋さんに相談すると、

「とりあえずそのまま使用してほしい」と言われました。

キャブレターを分解清掃すれば速攻で治る現象なのに、

農機具屋さんの怠慢が垣間見れますが、

農機具屋さんの事はおいておいて、

とりあえず、

止まらないエンジン回転の部分で仕事をしたんです。

そして、

今回は農機具屋さんに持ち込まないで、

自分で直すことにしたんです。

キャブレターをエンジンから取り外して、

キャブレターの分解清掃を始めました。

すると、

ちょっと専門的な話しなんですが・・・

燃料フィルター→燃料ホース→キャブレターと見ていくと・・・

エアーフィルター付近は綺麗に清掃されていましたが、キャブの裏側にはかなり埃などで汚れていました。

キャブを分解すると、メタリングダイヤフラムの裏側にもしつこい汚れが・・・。

更に分解をしていくと、

ポンプ室側に取り付けられている 「インレットスクリーン」という、フィルターにガムが付着。

※ガムとはガソリンが固まってしまったもの。

このガムは取り除いてあげました。

燃料が通る順序は

燃料タンク

燃料フィルター

燃料ホース

キャブのポンプ室

キャブのメタリング室

キャブのベンチュリー部

エンジン内部

というのが、大まかな流れで、

キャブ内はかなり複雑で、

多くの小さい穴が作られているんです。

この穴のどこかが塞がると、

当然、エンジンの不調、エンジンがかからない、などとなるんですね。

おそらく、

このインレットスクリーンが燃料の通りを妨害していたんだと思われるんです。

このインレットスクリーンが無ければ、

汚れが大切な所までいってしまっていたはずなので、

かなり大きな仕事をしているんだと思います。

これで、

エンジンの不調が分かったんですが、

キャブレターのオーバーホールをしてからは、

エンジンは一発点火、

チョークを引いても止まらなくなった。

と良いことずくめだったんです。

しかしここで問題が発覚!

アクセルを8割以上開くとエンストはしないんですが、

エンジンの出力(回転数)が上がらなくなってしまったんです。

古いエンジンだから50:1のオイルだと薄いのでしょうか?
(エンジンの焼けるようなニオイいは出ていません)

「アクセルを8割以上開くとエンジンの出力が上がらなくなってしまった」時の対処方法

インレットスクリーンと言うと、

ダイヤフラムキャブですが、

もしかしたら、

インレットスクリーンの詰まりのある状態で燃調を合わせてしまっているんだろうと思います。

だから、

インレットスクリーンの詰まりの無い状態だと燃料が濃いんでしょう。

実は・・・

「燃調が濃過ぎると回転が上らなくなる」んです。

燃調が濃いと言うことは、

混合気に混ざる空気が燃料に対して薄くなると言うことで、

エンジンの燃焼室での爆発が弱くなって、

出力が上がらない!と言うことになります。

爆発を強くするには混合気に混ざる空気を多くしてあげたら良いんですが、

空気を多くしてあげるにも限度があります。

「アクセルを8割以上開くとエンジンの出力が上がらなくなってしまった」の対処方法は・・・

キャブレターには、

「燃調用のHi&Low」の調整ネジがあります。

この「燃調用のHi&Low」を調整してあげると、

燃料の量が調整できるんですね。

まずは、

Lowネジを微調整してあげてアイドリングが一番高くなる所を見つけていきます。

アイドリングが一番高くなる場所を見つけたら、

アイドリングを別のネジで下げて、

エンジンストールしないギリギリのラインに合わせます。

そして、

次にHiネジを薄くなる方向に(今回は閉じる)ゆっくり回していくと、

最高回転でもふける様になります。

この時に注意する点は、

あまり高回転を求め過ぎると、

混合気の空気が薄くなって、

今度はエンジンの焼き付けに繋がってしまいます。

ですので、

高回転は、8000~9000rpmにとどめておくと良いかと思います。

回転計が無い時は、

Hiネジを閉める時に、

最も高い回転になる所まで締めてあげて、

そこから半回転位開いた所でHiネジを止めてあげます。

これで大体の調子が出るはずです。

「農機具の2st(サイクル)のキャブレターで出力が上がらないワケは?」まとめ

いかがだったでしょう?

今回は、

「農機具の2st(サイクル)のキャブレターで出力が上がらないワケは?」

の対処方法を解説していきましたが、

理解できたでしょうか?

分からない時は、

メーカーから出している整備解説書などを取り寄せて整備をするなど、

勉強が必要になります。

どこに何があるのか?分からない状態で整備をすると、

故障の原因にもなりますので、

注意が必要です。

また、

ネットなどで入念に調べてみるのも大切ですね。

例えば、

バイクの整備をしているホームページなども参考になります。

そして、

「こんなに細かい事をやらないといけないの?」と疑問に思う方は、

自分で整備しないで、

農機具屋さんに持ち込んで修理してもらうか、

新しく買い替えるか?

を考えた方が良いです。

もちろん、

今使っている農機具が古くて、

もうガタが来ていて買い替えたいかなぁ~と思っているなら、

尚更、買い替えた方が良いですね。

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