メンテナンス

トラクターのエンジンオイルの交換時期

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トラクターのエンジンオイルの交換時期

トラクターのエンジンのほとんどが水冷ディーゼルエンジンなんです。

自家用車などのレシプロエンジンと比べて、

出力のわりに大排気量で、

2,000回転前後の低出力で、マックスの出力を発揮する特性があります。

そんな事から、

普通のガソリンエンジンに比べて、

オイル交換の頻度も高いんです。

エンジンオイルの交換時期は、

新車で購入した場合には、初回は50時間前後の運転でオイル交換を行い、

2回目以降は基本的に100~200時間ごとに交換します。

ただし、各メーカーの型式によっても異なるので、詳細は取扱説明書で確認したほうがよいでしょう。

しかし!

普通の農家のトラクターの稼働時間って考えた事ありますか?

実は、

数十時間、100時間を超えるのはマレです。

年間で数百時間も稼働するのは一部の専業農家だけなのです。

他の農機具の稼働時間は更に短い訳で・・・

確かにマニュアルには

交換時間の目安は記載されていますが、

100時間に1回のオイル交換なんてしてたら、

いったい何年先になるのか・・・(笑)

エンジンオイルは、トラクターを使用しない間も酸化するので、

使用時間に関わらず6ヵ月経過したら、性能維持のためにオイル交換することをおすすめします。

トラクターを使い始める前の春先と、

繁忙期を終えてトラクターを使わなくなる秋口の年2回を定期のオイル交換時期として決めておくとよいでしょう。

トラクターのオイル交換の方法

点検は水平な場所にトラクターを置き、エンジンが冷えた状態で行なってください。

まず、検油ゲージを探します。

検油ゲージを抜き取り、

一度、ウェスなどできれいに拭き取ってから再度差し込み、

抜き取ってオイルの量と汚れ具合を確認してください。

量が少ない場合は補充しますが、汚れがひどいときには抜き取って交換しましょう。

エンジンオイルの交換方法は、基本的に自家用車などと同じで、以下の手順で行なってください。

1)エンジン下部のドレンプラグを外して、エンジンオイルを完全に抜き取る。
2)再びドレンプラグを取り付ける。
3)オイル給油口から、純正のエンジンオイルを注入する。
4)検油ゲージにより、規定量給油できたことを確認して完了。

交換するときの注意点しないといけない事。

「10W-30」といったオイルの粘度表示を確認しましょう。

「10W」が低温環境下、「30」が高温環境下での性能(粘度)を示しています。

タイプが適合していないと、エンジントラブルの原因になる場合があります。

また、

車と同様で、

オイルフィルターも交換してください。

オイルフィルターは数年に1回の頻度で交換してください。

ミッションオイル交換

トラクターのミッションは、

非常に複雑な構造をしています。

ミッションの切り替えを通して、トラクターはさまざまな異なる作業を行なっています。

ミッションオイルが劣化すると、油圧系の作動不良の原因になり、

トラクターの寿命を縮める可能性もあるので注意が必要です。

点検はエンジンオイルと同様に、検油ゲージを使ってオイルの状態をチェックしていきます。

交換時期は新車の場合、運転してから50時間前後で1回目の交換を行い、

それ以降は400時間ごとを目安に行います。

ただし、各メーカーの型式によっても異なるので、詳細は取扱説明書で確認してください。

ミッションオイルの交換方法は、以下の手順で行なってください、。

1)エンジン下部のドレンプラグを外して、ミッションオイルを完全に抜き取る。
2)再びドレンプラグを取り付ける。
3)オイル給油口から、純正のミッションオイルを注入する。
4)レベルゲージで規定量給油できたかどうか確認する。

ドレンプラグの位置は、ホイル仕様やパワクロ仕様によって異なる場合があるので、

取扱説明書で確認してください。

ミッションオイルの場合も、

オイルフィルターの交換が必須になります。

ミッションオイルのオイルフィルターの交換時期は長いので、

毎回交換した方が良いでしょう。

トラクターのエンジンオイルを交換する理由

潤滑作用
エンジン内の金属パーツの摩擦を減らし、
スムーズに動作させる潤滑作用があります。
エンジン内のパーツは分速数百回~数千回の高速運動をしており、
摩耗を防ぐためにエンジンオイルが必要になっているんです。

密封作用
内部のピストンとピストンリングの隙間に油膜を作り出して密封し、
ガス抜けを防ぐ役割があります。
エンジンを密封することでパワーロスを防ぎ、
効率よく車を動かすためのエネルギーを生み出すことができます。

冷却作用
稼働中のエンジンは燃焼や摩擦熱の影響でとても高温になります。
エンジンオイルは内部を循環することで熱を吸収し、オーバーヒートを抑制する役割があります。
熱を吸ったエンジンオイルは「オイルパン」というエンジンオイルを貯める桶のような箇所で冷やされ、
再びエンジン内を循環する仕組みになります。

清浄作用
エンジン内で発生する汚れをエンジンオイルに吸着させてきれいに保つことも大切です。
ガソリンを燃焼させたときに発生するスラッジや摩擦でできる金属の粉(スラッジ)を回収し、
1か所にとどまらないように循環します。
エンジンオイルが黒く汚れていくのは、この清浄作用を担っていることが理由です。

防錆作用
金属は空気と水分に接触すると錆が発生します。
エンジンは高温になるため外気温との温度差で水分が発生しやすく、
錆も発生しやすい環境にあります。
エンジン内に油膜を張ることで、錆や腐食を防ぐエンジンオイルの役割は非常に重要です。

エンジンオイル交換しないとトラクターはどうなる?

エンジンオイルを交換せずにそのまま使用していると、

劣化してエンジンオイルとしての役割を果たさなくなってしまいます。

その結果、エンジンに負担がかかり、車はさまざまな不調を引き起こしてしまいます。

場合によっては故障して走行不能になることもあるので、

どのような悪影響があるのか事前に把握しておいてください。

燃費が悪化する
エンジンオイル交換せず、劣化したエンジンオイルを使い続けていると燃費の悪化を招きます。
劣化したエンジンオイルは、
ピストンなどのパーツの動きを鈍らせるため必要以上の動力が必要となってしまいます。
さらに、エンジンオイルが本来備えている密封作用も低下し、
抜けたパワーを補充するために多くの燃料が必要になり消費されてしまいます。
エンジンオイル交換をしないでいると、
エンジンオイルが劣化し、燃料の過剰消費につながることを知っておいてください。

エンジンの調子が悪くなる
エンジンオイルの劣化により清浄作用が弱くなると、
エンジン内に汚れがたまってしまいます。
放置するとスラッジが蓄積し、エンジンの正常な動作を阻害するようになります。
普段よりもエンジン音や振動が大きいと感じるときや、
加速に時間がかかるときはエンジンの不調のサインと思ってください。
本格的なエンジントラブルに発展させないように、
不調のサインを見逃さない様にしてください。

エンジン内部の部品が摩耗する
エンジンオイルは古くなると粘度を維持できなくなり、
シャバシャバとした状態になってしまいます。
粘度が低下したオイルでは潤滑作用が下がるため部品の摩擦が防げなくなり、
次第に摩耗が進行していきます。
部品の摩耗がひどくなるとエンジンの機能が低下するだけでなく、
故障の原因になる危険性もあります。
部品の耐久性の維持と搭乗者の安全のためにも、
エンジンオイルは適切な交換が必要なのです。

エンジンが焼き付く
冷却効果が低下したエンジンオイルを使用し続けると、
簡単にエンジンの温度が上がってしまい、
最悪の場合エンジンが焼き付きを起こす可能性があります。
エンジンの熱を抑えられなくなることから急激に温度が上昇し、
エンジン内のパーツが溶けて癒着し、動かなくなる現象です。
もしも走行中にエンジンから焦げ臭さや異常な金属音を感じたら注意が必要です。
走行中に突然エンジンが停止する可能性が高いです。
このようなことになる前に、エンジンオイルはしっかり交換してください。

 

 

 

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