コンバイン 倒伏した稲を起こして刈取る方法
倒伏した稲は非常に刈りにくいものです。
しかし、
「手刈り」や「バインダー刈り」を行っている場合は、
いくら稲が倒伏しても、
刈取りへの影響はありません。
しかし、
コンバインで刈取りを行う時はかなり難易度が上がっていきます。
刈取りの難易度が上がる理由としては、
倒伏した箇所の稲は濡れている事が多く、
1.刈取の時点で稲が刈り取り部に詰まったり引っかかったりする
2.選別工程で問題が生じる
と言う問題が出てきます。
そして、
稲が倒伏すると、
コンバインのオペレーターからは、
地表が見えないので、
3.刈り残しが起こる
と言う問題も生じてしまうんです。
Contents
①刈取の時点で稲が刈り取り部に詰まったり引っかかったりする問題
稲が濡れていると、
「稲同士が絡まる」と言うトラブルが生じたり、
絡まった株同士がそのままディバイダー先端部にひっかかったりするんですね。
稲の倒伏を起こした時のコンバインが刈れる進行方向を知っていると思いますが、
このコンバインの進行方向の理由は、
稲同士が絡まってしまう現象を起こりにくくするための物なんです。
つまり、
コンバインの進行方向に対して、
倒伏した稲の穂先が、
「左側に向いている」もしくは、
「前方に向いている」。
この状態が正しい倒伏時の稲刈りの基本になるんです。
「左側に向いている」もしくは、
「前方に向いている」。
この状態で稲の刈取を行うと、
倒伏した稲の上側の稲からコンバインに刈と取らせる事ができるので、
自脱式のコンバインであれば、
難なく刈取る事ができるんですね。
また、
コンバインは、
基本的に左回りで刈取りを行う様に設計されていますので、
稲が進行方向に対して右に倒伏していると、
コンバインに対して左にある稲が刈り取ろうとする稲に多い重なる事になるので、
当然、稲同士が絡まりあってしまい、
絡まって、刈取れない事態となってしまうんです。
<稲の倒伏が一方向とあちこち向いている時>
そして、
実際に稲の倒伏が起きた時と言うのは、
一方向に倒伏していまっているケースと、
渦を巻いて倒伏しているケースやあちこち向いて倒伏してしまうケースがあるんです。
一方向に向かって倒伏してしまっているケースの場合は、
片道往復刈で簡単に解決できますが、
渦を巻いてしまったり、
あちこち向いて倒伏してしまうケースでは、
「刈取りしやすいことろから刈っていく」事が大切になるんです。
その為、
コンバインの回転が必要な個所が出てくるんですね。
もしくは、
刈取りが難しい渦を巻いている中心部分は、
手刈りで対処して、
コンバインの回転をしないと言うやり方もありますよね。
また、
刈取りのロスを全く気にしないで、
コンバインで強引に刈取ってしまうのもやり方です。
ですので、
まずは、
刈りやすい箇所から刈りやすい方向に刈っていって、
・コンバインを前後を使って大きく動かして
・方向転換を何度も行って向きを稲の倒伏に合わせる
と言うのが必要になってきます。
倒伏稲を刈っているとコンバインで起こるトラブルとして
②コンバインで選別工程が上手くいかない
倒伏稲を刈っていると、
コンバインで選別工程がうまくいかなくなるトラブルが発生します。
倒伏時の選別うまくいかなくなるのは、
稲が泥を噛んでいたりして、
かなり厳しい状態になっている事があるんです。
しかし、
対処方法としては、
雨や朝露で稲が濡れた時の刈取方と一緒なんです。
トウミの設定などを最適化してあげても、
選別がうまくいかないケースがあります。
そんな時は少々面倒なんですが、
周囲と自分の安全確認を行った上で、
脱穀胴を開けて選別工程を行い、
脱穀胴を乾燥させてあげて再度行ってください。
そして、
次の問題は、
③刈り残しが発生しやすい
刈り残しが起こりやすいと言う問題なんですが、
特に、
湿田(または地耐力が弱い)の場合、
コンバインの・・・
①走行スピードが速いと車体が「前上がり」になって地際刈りができなくなってしまう
②走行スピードが遅いと車体が「沈み込んで」地際刈りができなくなってしまう
と言う問題が起こります。
※「地際刈り」とは、
倒伏稲の下側にディバイダーを入れながら走行する事。
そんな時は、
コンバインの状態が前に上がり過ぎず、沈みこまない状態にキープできる様に、
最適な状態で刈れる様に速度調整をする必要があります。
☆湿田を多く持っている農家の方には、
疑似アクティブサスペンションを採用しているコンバインがあるので、
採用しても良いと思いますよ。
<稲を縛っているとコンバインにひっかかりやすい>
倒伏した稲を刈り取る方法の一つに、
「稲を縛って立てておく」と言うのがありますが、
稲を縛っておくと、
コンバインに引っ掛かりやすくなるので、
効率が悪くなります。
ですので、
状況に応じて、
無理な刈取をしないで、
「手刈り」や「バインダー刈り」をする事も必要な事ですね。
また、
基本は、
倒伏した稲がコンバインの左側に来るようにして、
爪で起こしながら刈ると良く拾ってくれるので、
速度が遅い方が良いでしょう。
また、
稲をコンバインから見て、
前側に倒れている状態にして刈るのも良い方法です。
<コンバインの引き起こし様の爪>
バインダーや旧式のコンバインの様に、
先端のディバイダー部の傾斜が緩やかな形状をした物の方が詰まりにくいんです。
つまり、
新しい型のコンパクトな刈取部の形状をしたコンバインの方が詰まりやすいんですね。
ですので、
コンバインの新型や多条刈りのコンバインの場合は、
倒伏株の引き起こし様の「引き上げ爪」を付けられる様になっている様になっています。
コメント