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農機具に使用するグリースの種類と特徴と注意事項

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農機具に使用するグリースの種類と特徴と注意事項

農機具にはあちこちにグリースでグリスアップが必要な箇所があります。

耕耘機やトラクターであれば、

ロータリーの軸とか、

駆動部分の間接部分とか、

とにかく色々ありますよね。

そこで、

今回は、

農機具に使用するグリースの種類と特徴を解説していこうと思います。

まず、

最初にお話ししておかないといけないのは、

「農機具に使用するグリースは何が良いのか?」って事ですが、

リチウムグリースが一番おススメでしょう。

オールマイティに使用できます。

そして、

マメにグリースを差すことができるのであれば、

シャーシグリースですね。

安価なグリースですが、

性能的には充分使用できます。

但し、年に一回くらいは差す様にしてくださいね。

グリースと潤滑剤の用途と種類

潤滑剤

一般的に潤滑剤は、金属の表面部分に塗り素材同士の摩擦を減らしてすべりをよくしてくれたり、

摩耗を防いだりするときに使用します。

カーテンレールの滑りをよくしたり、ドアの蝶番の動きをよくしたりといった場面に使えますね。

潤滑剤は3つのタイプに分けられます。

液体潤滑タイプと固体潤滑タイプと半固体潤滑タイプです。

滑りをよくするだけにとどまらす、サビ防止やサビの除去に使えます。

また、スプレータイプのものもあり、専門家でなくても気軽に使えます。

グリスと潤滑剤の成分は?ちょう度とは?

グリスはどのような成分でできているのでしょうか。

グリスは液体の潤滑油に増ちょう剤と添加剤を加えたものです。

潤滑油は基油またはベースオイルで構成されています。

増ちょう剤は微小な個体を半固体にした潤滑剤のことで、

グリスの性質や性能に影響するものです。

添加剤は使用する用途に応じて配合します。

使用用途にあった高性能グリスを製造するには、適正な成分の組み合わせと製造法が必要です。

潤滑剤の成分は?

次に潤滑剤の成分についてです。

潤滑剤の成分はタイプにより異なります。

液体タイプにはスピンドル油やシリコンオイルが使われています。

他にも水置換性のオイルに、浸透性のあるオイルやラノリンなどの防錆剤を配合しているものがあります。

固体タイプは二硫化モリブデン、グラファイト、PTFEが含まれています。

半固体タイプはオイルと金属石鹸を混ぜたもので作られています。

グリスのちょう度とは

グリスには硬さを表すちょう度というものがあります。

ちょう度には混和ちょう度とNLGI NO.というものがあります。

混和ちょう度の数値が低いほど硬く、数値が高いほど柔らかいグリスということです。

逆に、NLGI No.の数値が低いほど柔らかく、数値が高いほど硬いグリスということです。

グリスの種類別の選び方

軸受けやギアなどの金属部分、滑り動く部分に使用します。

頻繁に給油が必要な場所や給油が難しい場所に適しています。

増ちょう剤が配合されているので潤滑面への付着力が強いのが特長です。

また広範囲の環境温度に使用可能で、

耐水使用や長期の保存が可能なのが特長です。

<ここでグリスの特徴などを解説しておきます>

グリスも何が良いのか、質問されていたので、

グリースの種類と特徴を書いておきますね。

ロータリーの軸なので、

それほど高温になりませんので、

高級なモリブデンを使うほどでもありませんが、

お金がありあまっているのであれば、

モリブデンを使用しても良いかと思います。

また、

埃や砂などの侵入の防止にもなるので、

積極的に使用した方が間違いなく良いですね。

①シャーシグリース

車輌の下周りのグリース給油箇所に。

耐水性、潤滑性に優れていて比較的安価ですね。

水分が含有されていて、雰囲気温度は80℃あたりが限界ですね。

②リチウムグリース

産業機械の回転、摺動部に使用します。

耐水性、耐熱性、潤滑性に優れています。

オールマイティーに使用でき適用範囲が広いです。

雰囲気温度は、130℃まで使用可能です。

③モリブデン入りリチウムグリース

ボールジョイントなど強い荷重がかかり、摩擦・摩耗が発生する箇所に使えます。

焼き付きが発生しやすい厳しい潤滑箇所に。

特に耐摩擦・摩耗性に優れ、耐水性、耐熱性も持っています。

雰囲気温度は150℃まで使用可能です。

④シリコーングリース

使用温度域が広く、酸化安定性・耐水性などに優れているグリースとなります。

一般潤滑用シリコーングリースは一般石油系グリースに比べて酸化安定性や温度特性・耐水性に優れ、

適用範囲が広いのが特徴です。

高温潤滑用シリコーングリースでは、200℃以上の高温でも使用できるものもあります。

熱で変色しにくいです。

ちょう度(材料の硬さ)が安定し、低温でも硬くならないので使いやすいですね。

豆知識 オイルとグリースの使い分けについて

オイルは液体であるため流動性がありますので、注油することで部品細部まで入っていきます。

反面、短期間でオイルが漏れて出てしまうことがあります。

これに対して、グリースは半固体であるため流動性が低く、

部品の外から塗布しても潤滑部分には届きません。

このため、あらかじめ潤滑部分に塗っておかなければ効果がありませんが、

潤滑部分にとどまるため長期にわたる潤滑性能や耐水性が得られます。

【注意事項】

直射日光を避け、湿気の少ない冷暗所に保管してください。

硬化、酸化、揮発、油分離がきわめておこりにくく、

1回の塗布で長時間使用することができます。

グリスアップ(差し方)の注意点

農機具を長持ちさせるためのグリスアップについて、注意点について紹介します。

グリスアップ(差し方)には指で直接グリスを指す方法と、

グリスガンを使ってグリスアップする方法があります。

グリスガンの事を書いていますが、

注意事項は一緒です。

参考にしてみてください。

<グリスガン>

グリスガンはグリスアップには欠かせない工具です。

ニップルにグリスガンの先端を差し込みハンドルを操作して、

圧力を使ってグリスを指していきます。

適切に使わないと、

グリスが漏れてきたり、

跳ねたりもしてしまうので、

注意してください。

<指定部以外は脱脂は無し!>

可動部に付着している油汚れは、

キレイに掃除したくなっても「脱脂」するには注意が必要です。

中には金属に油脂を染み込ませて潤滑させているパーツもあります。

パーツクリーナーや溶剤などで脱脂してしまうと、

潤滑不足になってしまう事もあるので、

注意してください。

<異物混入には注意が必要>

グリスに埃や砂などが混入していると、

グリスに埃や砂などが巻き込まれて、

本来、潤滑したい箇所で摩耗が起こり、

傷をつけてしまったり、故障の原因にもなりますので、

グリスアップ前の清掃やグリスの保管方法には注意して、異物混入を防ぎましょう。

<異なる種類のグリスは混ぜない様に>

グリスには商品によって若干成分が違ったり、

種類によっても成分が違ったりします。

混ぜると、分離しまったり、固まったりして、

潤滑剤としての性能が落ちたりしてしまう事があります。

できるだけ指定されたグリス以外を使用したり、

量が足りないからと言って、違う成分のグリスを混入させたりする事は避けましょう。

<潤滑剤は万能ではない>

浸透潤滑剤は(CRC556等)は非常に手軽に使えて便利な物です。

錆びも落とせるし常備している方もいますよね。

しかし、

グリスアップの指定部にスプレーすると、

せっかく差しているグリースを洗い流してしまうし、

可動部に長い間留まらないので、

潤滑不足の状態を引き起こす事もあります。

浸透潤滑剤は、グリースとは別物と考えてください。

グリスを指す部分に浸透潤滑剤を指すものではありません。

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