トラクターの湿式ブレーキオイルってなんの事でしょうか?
トラクターの湿式ブレーキオイルって何?
と言う質問があったので、
解説していきますね。
Question
トラクターのミッションオイルを交換しようとしたときに、
指定のギアオイルが、
「SAE·80w湿式ブレーキ適正オイル」とあったんです。
湿式ブレーキオイルってなんの事なんでしょう?
良く車でも使用する80wのオイルと全くの別物なのでしょうか?
また、
家に90番のオイルがあるんですが、
使用しても問題ないのでしょうか?
ご教授お願いいたします。
Answer1
湿式ブレーキオイルと、
普通のエンジンオイルやブレーキオイルは全くの別物だと思ってください。
重機や農機具ですと、
泥の中や、泥水の中で作業をする事が多いんです。
泥や泥水に使ったまま使用していると、
当然、錆びてしまいますよね。
ブレーキは、安全上、錆びてしまうと動かなくなってしまうので、
非常に危険になります。
そこで、
常にオイルに遣っている状態のブレーキを開発されて、
それが湿式ブレーキなんです。
トラクターの場合、
ミッションに作業機を回すギアと、
作業機を持ち上げる油圧シリンダー、
タイヤを回すギアとブレーキが入っています。
その為、
普通の乗用車に使用するオイルと性能が違うんです。
ですので、
指定されているオイルを使用する必要があります。
簡単に湿式のオイルを手に入れようと思ったら、
トラクターを作っているメーカーで良いされている物を、
扱っている農機具屋さんで購入するのが早いし安いでしょう。
あとは、
オイルメーカーに、
使えるのか?を聞いた方がよいでしょうね。
Answer2
同じオイルがギアオイルと、
油圧作動用油と、
湿式ブレーキ用オイルを兼ねているので、
メーカーの指定している湿式ブレーキオイルを使用した方が良いです。
ちなみに、
湿式ブレーキオイルを使用しないで、
普通のオイルを使用すると、
ブレーキが滑って、ブレーキの役目はしなくなりますよね。
乾式と湿式ブレーキの違いについて・・・
摩擦版ブレーキは、
ライニングを潤滑しない乾式と、
油で潤滑と冷却を行う湿式に分けられます。
乾式ブレーキは・・・
ライニング表面に水や油、粉塵が入らない様に注意が必要です。
湿式ブレーキは・・・
ライニング表面に油を供給して境界潤滑状態で使用します。
湿式ブレーキは、乾式に比べてライニングの摩耗が少なく、寿命が長いんです。
潤滑油は摩耗表面で発生する熱を取り去ってくれる役割も果たしてくれるので、
乾式に比べて許容エネルギーが大きい特徴があります。
湿式ブレーキの欠点は、
切り離した時に油の粘性によりわずかなトルクを発生してしまう事です。
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